エディンバラの夏が終わります。
8月、エディンバラは観光シーズンのピークを迎えて、メインストリートが新宿駅構内並みに人が溢れます。多くの観光客の目的は、この1ヶ月に詰め込まれ街中で同時開催されるお祭りです。
エディンバラ・インターナショナル・フェスティバルを中心に、世界最大と言われる芸術祭フリンジ・フェスティバル、(以下“エディンバラ”略)アートフェスティバル、ロイヤル・ミリタリー・タトゥー、ブックフェスティバル、アート・クラフト・フェア、などなど、大規模なイベントが一斉に開催されるのです。
ピークを迎えるのは8月ですが、7月からマジックフェスティバル、ジャズ・フェスティバルが始まっていて、街に人がじわじわ増えていき、夏が始まるんだという雰囲気が、高まっていきます。
というのの逆で、8月が終わると、気候と相まって急速に夏が終わっていくのを感じます。
毎年今年はお金を使いすぎないように気をつけよう、と思うのですが、一度街に出ると、面白いポスターに目を奪われて、SNS上ではショーの広告のターゲットにされ、月も半ばになると、友人や職場であれが面白かった、どれがおすすめだと情報が行き交い、結局いつも目一杯楽しんでしまいます。特にメインの2つのお祭り、フリンジと、インターナショナルフェスティバルから、私が観てきたものをご紹介したいと思います。
Fringe 1 即興コメディ
フリンジからは、Shoot from the hipというインプロコメディのグループを見てきました。
インプロコメディとは、台本なしで観客からの提案に答えてシーンや、会話、キャラクターが作りだされる形式のショーです。コメディはフリンジでは、演劇に続いて2番目に多いジャンルで、何を見に行こうか決めるのすら困難です!このグループは、フリンジの前にSNSでの広告を打っていて、何気なく広告の先から見たアカウントで、ひとときずっと爆笑して、まんまとハマったわけです。お好みに合うかわかりませんがぜひ共有させてください。
https://www.instagram.com/shootimpro/?hl=en
その場限りの瞬間のネタということで、結構キワドいネタ、ランゲージもあったりしましたが、それもインプロの醍醐味なのかもしれません。ちなみにフリンジでショーを開催するには、特に審査などがないので、たまに、これ大丈夫なの!?という強烈なものに出会います。(去年はポロリを見ました)
Fringe 2 アフリカンミュージックとアクロバット
それからもう一つ、Afrique en Cirqueというアフリカン音楽とアクロバットのショーを観てきました。演者たちがアフリカンなカラフルな衣装を次々着替えて、踊って飛んで跳ねて、賑やかで迫力のある素晴らしいショーでした。コラと呼ばれるハープのような音色の楽器に合わせての歌は、エキゾチックで、幻想的な空間を作り出していました。その不思議な音色に合わせて、全身の関節がとっても柔らかい人間の不気味な、パフォーマンス。ひいひい言いながら観ました。
インターナショナルフェスティバル クラシックコンサート
エディンバラ・インターナショナル・フェスティバルからはバッハのマタイ受難曲、マーラーの交響曲5番、フィガロの結婚を見てきました。インターナショナルフェスティバルは、舞台芸術、音楽、とくにクラシックに特化したフェスティバルで、フリンジと比べると保守的でオーディエンスの年齢層も高いです。
バッハのマタイ受難曲は新約聖書からキリストが死を迎える箇所を描いた宗教曲。全く親しみのない曲でしたが、大迫力のコーラスと、ソプラノ歌手のパフォーマンスが素晴らしく、ラテンで歌われている歌詞の英訳がスクリーンに表示されていたので、思ったよりずっと楽しめました。
マーラーの交響曲5番では、オーケストラの後ろにも観客席が用意されていました!他にも、ビーズクッションに座って見るコンサートや、楽器の解説つきのコンサートがインターナショナルフェスティバルのラインナップにあったので、普段クラシックコンサートにあまり縁が無いという人にも、敷居を低くして、楽しんでもらおうという気概を毎年感じます。
マーク・エルダー指揮者の最後の公演ということで、最後に彼がスピーチをしてくれたのですが、その中で、「音楽を失くしてはならない。こういう場は大切にされていってほしい。すでにクラシック音楽が好きなみなさん、次はお友達を4人連れてきてください。」と言って笑いを誘っていたのですが、だったら、ほんとに、もっと値下げ努力して、と、思うのでした。
フェスティバルでの楽しみ
ところで、フリンジ、インターナショナルフェスティバル開催中は、普段縁がなく入れない、建物が会場になっていることも多いです。
Shoot from the hip はエディンバラ大学の卒業式が開かれるMcEwan Hall(の一部)で、アフリカンショーは、以前はスコットランド議会によって利用されていた、スコットランド教会のAssembly Hallでの公演でした。どちらも19世紀に建てられた建造物で、柱や天井、椅子の装飾など、結構見どころがあります。
ショーを予約しなくても、街中で大道芸人やマジシャン、シンガーたちがパフォーマンスをしているので、歩いているだけでも無数の芸術を楽しむことができます。たくさんのフードトラックが出ているので、食べ歩きをしてもいいし、最近は無料のショーも増えていて、思いつきでふらっと劇やコメディを見に行くこともできます。とにかく、飽きることなくて、息つく間もなくエンターテイメントが街に押し寄せてくるのです。
読んでるだけで疲れる?そう言わず、一度は是非遊びにいらしてくださいな!
これ以外にもいくつかのコメディと音楽ライブに行って大満足な1ヶ月でした。去っていく(来たのかも怪しい)、楽しかった夏を惜しみながら、来る暗いスコットランドの冬へ気持ちを準備させているくもでした。
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