大人の趣味ピアノ② 音楽フェスティバル

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

こんにちは。12月になりましたね!本格的に暗くて寒い季節になりました。この季節を乗り越えるために存在しているようなクリスマスも、私にとっては楽しみどころかむしろ面倒くさい行事なので、この時期はどうもテンションが下がります。

キリスト教の大切な行事としてのクリスマスはいいんです。クリスマスに食べるターキーも好きだし、毎年伴奏のお手伝いをしている学校のキャロル・コンサートも好きです。でも、テレビのコマーシャル等で、クリスマスは家族みんなでキラキラ幸せ!っていうイメージを無理やり押し付けられるのがどうもねえ。

あと、ガーデンセンターに設置されたSanta’s Grottoみたいな、サンタクロースが実在するような下手な演出も苦手です。あれに行列している親子を見るたびに、ガーデンセンターにサンタが来るわけないだろ!しかも、みんなのサンタさんに会うのにチケット買わなきゃいけないっておかしいだろ!と心の中で叫んでしまいます。きっと、自分が子供の頃にサンタさんを信じていた記憶がないので、素直に受け入れられないんでしょうね。最近は、Elf on the Shelf なんていう余計なものがまたアメリカから伝来してきましたね。ホントやめて欲しいんです。

あ。。。クリスマスを楽しみにしている皆様に水を差すようなことを言ってしまって、すみません。本題に入ります。

私は先日、音楽フェスティバルなるものに参加してきました。前回の記事で、練習のモチベーションのために人前で演奏する機会を無理やり作っていると書きましたが、これもそのうちの一つです。気が付いたらもう6年前から毎年この時期に、地元の音楽フェスティバルに参加しています。今年は4部門参加したうちの、参加者が少なかった部門で、珍しく金メダルをゲットしました。手のひらサイズの極小メダルですけどね。いつも大抵は何も頂けないか、良くて銀メダルです。後日、カップも頂きました。

音楽フェスティバルとは

フェスと言っても、グラストンベリーとかレディングとかの野外フェスではありません。”Music Festival” とか “Piano Festival” とか “Performing Arts Festival” なんていう名前がついていて、イギリス中の各都市で開催されています。日本語で言うなら、コンクールなのでしょうが、いわゆるコンペティションという名前がついていないのは、そのお気軽さのせいでしょうか?コンクールのように優勝したり点数がついたりしますが、出場するのにオーディションはなく、誰でも参加出来ます。年齢制限も無し。(これ重要!)

音楽フェスティバルもいろいろあると思うのですが、ルールなどは大体どこも同じだと思うので、私が参加しているフェスティバルについて書いてみました。

参加出来る部門

部門はクラスと呼ばれていて、いろいろあります。例えば、「6歳以下グレード1のクラス」のように年齢とレベルに制限があるものや、「ロマン派の曲のクラス」のように、曲のジャンルや年代で分けられるもの、そして制限一切なしのクラスもあります。ひとりで複数のクラスに参加することは出来ますが、同じ曲は使えません。 1クラス1曲が普通ですが、例外に「リサイタル・クラス」と呼ばれる、2曲以上の違ったタイプの曲を披露するクラスがあります。これは一番参加者も多く、最もハードルが高いクラスです。

参加資格

クラスによってだいたいのレベル分けはされていますが、オーディションがないので、基本的に申し込んだ全員が参加出来ます。やはり未来のある子供やティーンエイジャーの参加者が多いです。物凄く上手な子もいますが、普通の子もたくさんいます。年齢制限のないクラスには大人の参加者が必ず何人かはいます。大人は毎年恒例で参加している人が多く、私もそのひとりです。

審査員

同じフェスティバルでも審査員は毎年違います。どの先生方も世界的に活躍している著名な演奏家兼指導者です。そういう人たちに演奏を聴いて意見を述べてもらえるというのが、フェスティバル参加の最大のメリットです。また審査員によって評価が随分違うというのもフェスティバルの醍醐味と言えるかな?

費用

参加費用はクラスごとに決まっていて、私が参加しているフェスティバルでは、1クラスにつき5~12ポンドくらいです。安いですね。

審査結果

演奏した曲全てについて審査員からフィードバックと賞状がもらえます。今年の審査員は、かなり丁寧なアドヴァイスをくれる方でした。各クラスごとに1位と2位まで順位が発表され、メダルがもらえます。大きなクラスで優勝するとトロフィーも贈られます。子供の部門の優勝者は賞金が出たりもするようです。

良いところ

普段滅多に出来ない経験でしょう。人前で弾き、評価される。大きな試験などを控えている場合には、恰好の予行練習になります。普段のレッスンでは気づかなかった癖や特徴を審査員に見つけてもらえます。もし、お子さんに音楽の才能があるかもしれないと思ったら、一度フェスティバルを試してみると良いと思います。そこで、周りと比較して、やっぱり才能があったんだと気づくかもしれません。逆に勘違いだった、世界は広いと痛感するかもしれませんが、それも良い経験でしょう。

良くないところ

でも、演奏を審査されて点数がつけられるということはストレスでもあります。もう何年もやっていて慣れているはずの私でも、頂いた評価に落ち込んだり(やっぱり褒められたい)、他の上手な人に嫉妬したり、極度に緊張して大失敗することもあります。 1位を頂いても手放しで褒められたわけではありません。

審査員も人間で、それぞれに好みがあります。審査員の趣味で評価が変わるのは当然で、悪い評価を頂いても落ち込む必要は全くないのですが、やはりこちらも人間、期待通りに行かなかったら落ち込みます。特に子供にフェスティバル参加させる場合は、そういう点が大丈夫な子かどうか慎重に見極めないといけないと思います。

人前で弾く経験をさせたいだけなら、他にも機会はたくさんあります。評価を受けることなく、どんな演奏をしても温かい拍手がもらえる場所があります。フェスティバルは、やっぱり怖いです。

私が参加する理由

理由は人それぞれでしょうけれど、私の場合は恒例になってしまっているので、不参加にしたら何か特別の理由があるように思われるのではないか(いったい誰がそんなことを気にするのか?ということはさておき)という心配をして、ダラダラと続けています。

フェスティバルに向けて練習することで、自分の中では確実に何か成長しているはずだし(その割に毎年同じような評価をもらってるけど)、刺激ももらえます。今年は特に、二人の素晴らしい才能あるピアニストに出会えました。彼らと同じ舞台に立てるだけで幸せだと思いました。真剣にピアノをやっている人なら、大人でも子供でも、一度は参加する価値があると思います。

順位は絶対的なものではありません。1位の人よりあの人の方が良かったのになあと思うようなことも多いです。もしも、これを読んでフェスティバルに参加してみようかなと思った方がいましたら、ぜひ順位にこだわらずに上手に楽しんで下さいね。

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About the Author: ふあにゃん

趣味でピアノを弾いていたら知人から教えてほしいと頼まれたのがきっかけで、いつのまにか職業になってました。東京都出身、在英20年超、ロンドンの南の端っこ在住、常に貧乏。好きなテレビ番組は「5時に夢中!」。

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3 Comments

  1. Junko A 23rd November 2020 at 10:18 am - Reply

    いつも素敵な記事をありがとうございます。もうすぐ3歳になる娘にいずれは何かの楽器をやらせたく、その前段で音楽の基本としてピアノをはじめさせたいと思うのですが、スペース的に電子ピアノを買いたいと思っています。
    何かおすすめのメーカーやモデルはありますか?宜しくお願い致します。

    • ふあにゃん 23rd November 2020 at 10:23 am - Reply

      Junko Aさん、読んで頂いてありがとうございます。
      電子ピアノは、やはり日本のメーカー(ヤマハ、カワイ、ローランドあたり)がハズレがなくて安心して買えると思います。同じメーカーでもたくさん種類が出ていて迷うと思いますが、ご予算で決められるのが良いと思います。

      • Junko A 27th November 2020 at 4:30 pm - Reply

        ありがとうございます!

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