今週の目玉(お客さん)
みなさまこんにちは。車屋の女房です。
先週、チラッと雪が降りましたね。授業中だったので、子どもたちは指をくわえて雪が消えていくのを見守っていた事でしょう。暴風雨より雪のほうが良いよね…..
さて、今週の目玉は若い女性のお客さんでした。
「明日車を見に行ってもいい?」
「何時頃?どこから来るの?」
「middayくらいかな。歩いていく!」
どこから来るのか聞いてるのに…..
「着く三十分前にどの辺にいるかテキストくれる?」こういう場合、夫はあまり深追いしません。ドタキャンも多いからです。
「オッケー?」
彼女が選んだのはGranny carと呼ばれるエンジンが小さくて、小型でスポーツタイプではない地味な色の車です。若者に人気がないので保険料が割安になるんだとか。(お住いの地域にもよります)
さて翌日。
約束の三十分前にテキストが来なかったので夫は電話をかけました。
「今どの辺?」
「もう着いてる」
想定内です。話を聞いていない、典型的なパターン。こんな事だと思った…….
夫は予約を受けた時間以外は、買い付け等の他の仕事であちこち移動しています。毎回念をおして伝えても、ほぼ半数のお客さんがテキストせずに適当な時間に到着します。ワーストケースは、最初の電話の時点でそびえ立つゲートの前に立っているパターンです。無人のオフィスの前でいったい何を考えているのか……
夫が到着すると、フレンドリーな二十代の女性が地べたに座って待っていました。
「エイミーよ」
「待たせて悪かったね, 今開けるから」
「オッケー?携帯の充電させて」
「………」
そして、夫とエイミーは試乗へ繰り出しました。
「ooooh…………..aaaaaah………..oooh……..」
マニュアル車なので減速や加速のたびにギアチェンジをしますが、シフトレバーを動かす時に必ず発声が….
「シャラポワかと思ったよ」
狭い車内で唸られると、空気が薄くなるように感じて軽いパニック障害を感じたって……(大げさなんだよ)
試乗が終わり、インドアの駐車場に乗り入れました。
「この車をショールームにもどしてくるね」
「私にやらせて!」
「!!?」 ……….
夫のカービジネス人生で初めてのリクエストでした。どんな不躾なお客さんでも、車の移動をやらせろ!と迫られたことは無かったそうです。
ここで何故か、夫は数秒悩みます。(なぜ悩む?)
そして、
「良いよ。」(なんで?)
エイミーはトロッティング(スキップみたいなもの、通常馬がやる)して車へ向かい、若干時間をかけながらも無事にやり遂げました。
「 この車気に入ったわ!!今日乗って帰りたい!!お金は明日持ってくる!!!」
「……….」
夫は流石に考えたそうです。(考える必要ナシ)
考えたと言っても、彼女がどうしてこういう事を言うのか、精神的に何か疾患があるのか、彼女の故郷オーストラリアではこういう事が普通なのか…..悩んだ末に一言
「それは無理だな」
「オッケー?」
意外にあっさりと引き下がり、今度は充電の済んだ携帯で電話をかけ始めました。ソファの真ん中にどっかりと座って約一時間。
そして
「お腹減っちゃった。何か買ってくる」
!!!? ここまでくると想定外。
とりあえず、夫はショップの場所を教えました。
「あっ、£1しかないの忘れてた。やっぱり行かない」
「…….」
自分自身、空腹に我慢のできない夫は彼女に同情して
「これでGREGGS行っといで。僕の分も買ってきて」と£10を渡しました。
温かい飲み物と食べ物を買って戻ってきた彼女は
「今日はお金を用意できない。明日また来てもいい?」
「良いよ。時間を連絡して」
夫に買ってきたものを渡してすぐに帰ってしまったそうです。
そして翌日….
エイミーは約束の時間通りに到着して、車の代金をきっちり払い、夫が彼女に持たせた£10まで払って車を引き取って帰りました。
夫は、「こんな客は初めてだし、noと言わなかった自分に驚いてる」そうです。彼女が車を買っても買わなくても、別に構わなかった…..
って恋でもしたんじゃないの!?
正直になれよ…….と
ちょっと意地悪ばあさんになった車屋の女房だったのでした。
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