イギリス人のお金の事情(年金、投資信託、仮想通貨)
今日はイギリス人の老後に必要なお金、貯蓄方法について述べていきます。
イギリスの年金には、どういった種類の物があるのか、そして、年金は収めていないという人はどうやって自分でお金を貯蓄しているのかを、イギリス在住歴20年の筆者が、経験を踏まえて紹介していきます。
イギリスの年金制度は3つ
- 公的年金(state pension )
- 職場年金(workplace pension)
- 個人年金(self-invested personal pension)
公的年金
年金は社会保険番号(ナショナルインシュアランスナンバー)を取得した人は受給できる資格があります。ただし、年金を満額受け取るには35年間の社会保険料の支払いが必要。しかし、最低10年間の社会保険料の支払いでも、満額ではありませんが年金を受け取ることができます。
(GOV.UK参照)
https://www.gov.uk/state-pension
受給年齢
2021年3月の時点では65歳からの年金受給が可能で、その後2034年から2036年で67歳に引き上げられます。
支給金額
満期(35年間)加入で週£175.20を受け取ります。将来の物価上昇に合わせてこちらの額は変化します。収入額により支払い額が異なっても受給額は一律です。
職場年金
イギリスでは雇用者は社員に職場年金を提供することが義務付けられています。
対象は22歳以上、年間収入1万ポンド以上の社員です。
毎月の支払い額は月収の8パーセント以上となっており、そのうち雇用者は最低3%を支払い、社員が5%を支払います。
企業が年金機構に管理を依頼しており、それぞれの企業で異なります。
メジャーな年金機構だと以下のロゴのようなプロバイダーがいます。条件は各社それぞれですが、基本は手数料に注視して選ぶケースが多いです。
個人年金
自営業の人は個人年金を申し込みます。ファイナンシャルアドバイザーなどに相談を依頼して、自分の手元資金と相談して計画を練って毎月の支払いを行っています。
年金機構は職場年金で紹介したメジャーなプロバイダーや、他にも手数料の格安な年金プランも参考に中小企業に年金を申し込む場合があります。
配偶者で自分の年金を受給希望の方も個人年金を収めています。
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投資信託
年金が受け取れない、でも老後の貯蓄を効率よく増やしたい人は投資信託。投資信託とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」(投資信託協会より引用)。
単なる現金貯蓄のCashISAがありますが、ここ数年人気が出ているのがStock and Shares ISAです。
ISAとは、「Individual Saving Accountの略で、イギリスで1999年に個人の貯蓄や投資を促進する目的で導入されたイギリス居住者対象の税制の優遇措置のついた個人貯蓄口座、またはその制度のことをいいます。非課税対象となる年度毎の上限金額はありますが、非課税期間は無期限です。」(東海東京証券より引用)
Stocks and Shares ISAを使用すると、株式、ファンド、およびその他の種類の投資を購入できます。
投資方法、投資額
比較的安定、人気のある方法としては、銘柄に長期投資、ドルコスト平均法で毎月定額で積立投資をしていきます。積立額は£100からでも十分です。30年積立を続けて年平均5%の利回りを維持できれば、元本£36,000で、£81,900まで増やすことができます。
個別の株なんかわからないという人はインデックスに投資します。インデックス投資とは、世の中の景気や経済など市場全体の動きを表す指標(インデックス)への投資する投資信託です。
インデックス投資とは
代表的な銘柄としては、
・日経225
東証一部に上場する225社の銘柄
・東証株価指数(TOPIX)
東証一部に上場するすべての銘柄
・NYダウ
ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している代表的な30銘柄
・FTSE100
ロンドン証券所(LSE)の時価総額上位100社で構成
など、特定の市場全体に分散投資することをインデックス投資といいます。
インデックス投資だと比較的安定していると言われています。しかし、長期投資に限ってなので、短期投資には向いていません。インデックス投資はもちろん値下がりする期間(2−3年)があるかもしれませんが、それはドルコスト平均法で下がっても着実に買い続けることが必要です。(投資は自己責任でお願いします。)
以下のリンクで人気証券会社が紹介されています。
https://uk.stockbrokers.com/guides/share-dealing-accounts
仮想通貨のドルコスト平均法
最近では仮想通貨へドルコスト平均法で毎月定額積立をするシステムも登場していて、投資家には魅力的になっています。特に変動の激しい仮想通貨は、歴史が浅くまだこれからどういった動きをするかわかりません。そこで、少額の積立で将来の上昇を狙って行く人もいるようです。ただし、全財産の1−3%程度、すべて失っても良い資産での投資が勧められてて、不安定な商品となっています。
以下のリンクで仮想通貨取引業者が紹介されています。
https://cryptohead.io/uk/best-exchanges/
最後に
老後に備えて、イギリスでは多くの人が以上のように自己資金を管理しています。上記に加えて、値下がりしない住宅投資も人気があります。住宅は最終的には自分の所有物になるという点、文字通り「不動産」として根強い人気です。ブレクジット、コロナ後の住宅市場がとても注目を浴びています。
自分で投資、貯金してそれをコントロールしながら定年退職後も生活できることが安心に繋がり人生を楽しくさせてくれると思います。まだ、考え中の方はぜひこの機会に投資を始めてみてください。ただし、投資は自己責任でお願いします。
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