死んでいる木を買う
「クリスマスツリー買った?」
イギリスで12月の第一週ぐらいになると聞こえてくる会話です。
うちも買いに行かなきゃとガーデンセンターまで行くと、切られたモミの木を見て心が痛みます。
昔(日本にいた頃)はプラスチック製の人工のクリスマスツリーを毎年出して飾り付けをしていましたが、イギリスに来てからは毎年のように根元が切られたモミの木をガーデンセンターで買ってきます。
クリスマスツリービジネスと環境問題
クリスマスツリーの文化は600年前ぐらいからドイツで始まったそうですが、元々は宗教と深いつながりがあったわけでもなさそうです。イギリスでは200年前ぐらいからクリスマスツリーを家庭で飾るようになったらしく、今ではクリスマスの必須イベントになっています。
針葉樹の幼木を育て、根元を切り落として売るビジネスは人気があり、年々増えていますが、環境破壊とも言われています。最近ではクリスマス後の処理が問題になって、それの方が環境破壊とも言われているそうです。
最近では鉢植えのモミの木販売が増えてきて、クリスマス後には土に植え替えて再利用できるのを買うこともできます。
クリスマスツリーを2m程度育てるには8〜10年かかり、広大ない土地にモミの木を植えて10年も育てると切って市場に出します。1本の木の利益は10ドル(米ドル)程度。
クリスマスツリーの由来(ウィキペディアより⬇︎)
クリスマスツリーはキリストとはおよそ無関係である。原型は北欧に住んでいた古代ゲルマン民族の「ユール」という冬至の祭で使われていた樫の木である。冬でも葉を枯らさずにいる樫は生命の象徴とされていた。このドイツの民をキリスト教に改宗させる試みがなされたが、樹木信仰が根強かったので、樫を樅(モミ)に変えることでキリスト教化した。樅の木は横から見ると三角形で「三位一体」を表していると教えた。父なる神が頂点で、子と聖霊が底辺の両端に位置する。そして、1419年にドイツのフライブルクで、パン職人の信心会が聖霊救貧院にツリーを飾った。この記録が、クリスマスツリーをクリスマスに飾る行為の最初とされている。1600年代には、ドイツ各地で記録が残されている。ベルリンには1800年頃にツリーが伝わっている。イギリスへは1840年、ヴィクトリア女王を通じて伝わった。夫のアルバートがドイツ出身であったため、彼のためにクリスマス・ツリーに飾って見せたところから。1860年代に一般にも広まるようになった。
ガーデンセンターの様子
「うちも環境問題に考慮して鉢植えのクリスマスツリーを!」と思っているのは私だけで、家族の他のメンバーは、われさきにとガーデンセンターへ朝イチで駆けつけ、2mもある巨大な切ってある幼木を買ってきました。
ガーデンセンターに来ると並んでいます。クリスマスツリー!私が「どれも同じ!」なんて言うと家族に怒られるので黙っていました。みんな真剣な眼差しで、全体の形、枝の生え具合、葉の色などをチェックします。バッサバッサと横たわって置いてあるモミの木もあるのでそれも1本1本チェック。しかし、最後は台に差さって立っていて、形が確認できる木を買って帰りました。
自分の気に入った木が見つかると係の人に網に包んでもらいます。⬇︎これで運びやすくなります。
サイズによって値段が違い、あまり質などは関係なく、基本は単純に背の高い方が値段が高くなります。クリスマスの日に近づいて残り物に手を出すと形の悪いものなどがあるので、12月のシーズンが始まったらお早めにご購入されることをお勧めします。
⬇︎伐採されたモミの木の値段表と、植木鉢に入ってい再利用が可能なモミ、トウヒの木の値段です⬇︎
⬇︎モミやトウヒの木が植木鉢で売られている様子と、車に詰め込んで家まで持って帰ってきて玄関前に置いた様子です⬇︎
⬇︎根元を土台に差してリビングルームに立てかけます。去年のクリスマス明けにセールで売っていたクリスマスオーナメントを飾れたので、少し賑やかに出来上がりました。⬇︎
最後に
環境破壊を意識すると、伐採されたモミの木を見て心が痛みますが、消費者としては、モミの木で家の中のクリスマス雰囲気を1カ月間楽しむと思えば、その木を買うのも悪くないかなと思います。ビジネスとエンターテインメントが自然破壊をする典型的な構造にどっぷりハマっている自分がいますが、クリスマスで切られるために生きてきたモミの木で、他にも幼木がスクスクと育っているから大丈夫と割り切って、家の中のクリスマスを十分に楽しませてもらおうと思います。
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