あの髪をもう一度 髪の悩み 自毛植毛を試しに東欧まで行ってみると? 「本当に生えるんですか?」
髪で悩み始めて
髪の悩みは多くの人が抱えています。
遺伝やら、生活環境、ホルモン、食べ物などいろんな説があって、「もうわかったよ、でも、無くなってしまうものはどうにもならないんだよ!」と言いたい人がほとんどだと思います。
私もその1人でした。
自分はどうして髪が少なくなってきたんだろうと5年前ぐらいから特に気にするようになりました。いろいろな説が考えられますが、おそらく、男性ホルモン、遺伝、ストレスとまあ揃いに揃った要因で、自ら、髪消失への道をしっかりと歩んでいました。
友人とは冗談で「カツラか?」「思い切って坊主にしちゃえ!」など、意見交換が頻繁に行われてる中でも、自分では髪がなくなるのが徐々に心の傷に刺さるようになりました。
20年前に親戚の叔父に「育毛剤はいいぞ、ちゃんとやっとけ!」と言われたときは、そういった液体系はどうしても懐疑的で、全く興味ありませんでした。しかし、実際に自分の髪の毛が薄くなってくると、わらにもすがる思いで解決策を探しました。
流行の自毛植毛
すると、イギリスではサッカー選手や、俳優、音楽家など数々の著名人が自毛植毛をしてカミングアウトしています。(カミングアウトした人たちを以前のブログでも紹介していますので、ご興味のある方はこちらのリンクからどうぞ➡️ロンドンで髪、植毛しようかな)
薄毛対応には4つの方法
増毛 ー 今生きている毛に人工的な髪を束ねるようなやり方で、かつらのようにふさふさで質も良いのですが、髪が伸びだすと人工髪の根本も動いて、メンテナンスが必要。継続的な費用がかかる。
育毛 ー 液体を振りかけてマッサージしてと、値段もお手頃で、簡単に始められますが、効果には個人差があり、確実性が低いので、最終的には費用がかかる。
かつら ー 自由に髪型を選んでサラサラの髪を見せることができる。値段はピンキリで、控えのかつらの用意も必要。
自毛植毛 ー 自分の後頭部の毛を抜いて、足らない部分に植え付けるという方法。健康なドナー毛であれば半永久的に残ると言われています。
上の4つをみて、やはり「自毛植毛で、自分の毛を移植するだけだけだから、そんなに罪悪感がなくできる」と思いました。
自毛植毛クリニックでカウンセリング 価格決定
ネットで調べているうちに、あるわあるわ、イギリス全国で「髪の悩み解決!」の文句でクリニックが存在します。ネットで高評価のクリニックを5件ほど探して決定します。すると、某有名サッカー選手が利用したというクリニックがあり、早速、カウンセリングの予約をとってロンドンまで行きました。
カウンセリングは30分程度で、そこにはドクターが来て、私の場合は頭の前方から上がってきているので、おでこにラインを引かれました。そして、Graft(グラフト:皮膚などの移植片で株とよばれている)がいくつ必要かが議論になります。一つのグラフトには髪が1本のものあれば2本のものもあり健康であれば3本、4本とあるそうです。自毛植毛の価格設定はこのグラフトの数になり、2000個から4000個が一回のオペレーションで移植されるグラフトの数だそうです。
私の場合の見積もりはグラフトが2000個必要、そして、その値段が£7750(120万円)でした。
なかなかしびれる金額で、即答では決められませんでした。
調査を続けると、その結果。。。
それからしばらく経っていろいろ情報を集めると、イギリス人は格安でトルコに行ったり、東欧に行って自毛植毛をしてくると知り、早速、そちらの方向でも調べてみました。するとグラフト2500個で£4000(62万円)でできるという場所を見つけました。ほぼロンドンの半額、しかもグラフトも多い!その場所はポーランドでした。
早速、ポーランドに行って自毛植毛してみよう!という即決になり、予定日を予約後、メールと写真を送ってカウンセリング終了。後は£300の頭金を入金、そして、残りを手術前日に入金ということで3週間程度で手続きは終了しました。
ロンドンの£7500に比べると安い!と、購買心理トリックにまんまとはまった感じで即決しましたが、ここは思い切って、ポーランド人を信じて全てを投資しました。
ポーランドへ向けて出発
飛行機代、レンタカー代、ホテル代を加えても断然にロンドンのクリニックより安いのでこれはホリデーも兼ねて行ってみようということになりました。
北半球に位置するポーランドにはもちろん四季があって、今は紅葉の季節。森の木々が黄色く染まってきて、気温は0−20度と寒暖差が激しいものの、晴れた日中はとても気持ちの良いものです。自然と歴史がいっぱいのポーランドで美味しいものを食べて観光するのに合わせて、自分の髪の毛が修正されると思うと心高まります。
自毛植毛手術当日
さて自毛植毛手術当日、クリニックに着くと、そこは新しい建物で、スタッフは、美容系クリニックということで、みなさん身だしなみがきちんとしていて、接客担当の女性スタッフはファッションショーから帰ってきたような格好でした。
朝の8時半入りということで、待つことなく時間通りに受付に着くとすぐにドクターに連れられて、診察室に入りました。
入店、ヘルスチェック (午前8時半〜9時半)
ここでQ&Aが4〜50問ほどあって、アレルギー、持病、生活環境の基本的な健康状態をチェックします。最後に、どんな髪型にしたいかをチェックします。世界中にはいろんな人種がいて、それぞれの髪型の特徴があるので、ここでしっかりと自分の好み、または過去の自分の写真などを持ってきて説明するのをお勧めします。ポーランド人には日本人のおでこのフロントラインがどうなってるかは想像できません。
写真撮影、ヘアラインチェック、ヘアカット(9時半〜10時)
段取りは以下の通り
1.着替え – 手術患者用の青の紙質でできたドレスに着替えます。
2.写真撮影 – 四方向プラス頭上からの写真撮影をします。
3.散髪部屋に移動 – 鏡とバリカンが置いてある部屋に移動します。
4.植毛範囲ディスカッション – この部屋には20歳代とみられるアシスタントの女性4人と女性のドクター、5人の女性が集まって、おっさんのおでこのラインをじーっと見ながら、どれがベストか話し合いました。もちろん本人の希望が一番大切ですが、本人が思っているより、年相応の似合ったラインを探してもらうにもアシスタントとドクターの意見が必要だと思いました。
5.ライン書き込み – おでこにラインが引かれると、後はその上をどこまで植毛するか、その範囲を書き込まれます。てっぺんも少し薄くなってきてるので、てっぺんも足してくれるとのことで、ちょっとラッキーでした。
6.散髪 – ラインが決まると、手際の良い作業でアシスタント2人に2−3分程度で髪の毛を全て削ぎ落とされてしまいました。バリカンのカバーなし、5厘刈りでさっぱりと刈られました。丸坊主になるのは高校の野球部以来ですが、高校の時でさえも9mm(5分刈り)でしたが2mm(5厘刈り)は生まれて初めてでした。
もうこうなったら何も恥ずかしいものはないと、5人の女性に囲まれながらも、気持ちは完全に開き直っていました。
7.写真撮影 – 散髪後の四方向プラス頭上からの写真撮影をします。
手術開始 (午前10時〜)
頭皮ホール作成終了 脱毛、グラフト採取後 ドナー毛植え付け
手術は3段階に分けられます
- 脱毛、グラフト採取(ドナー採取)
- ホール作成(株分けした毛根を植え込む時は、頭皮に小さなホール(穴)を作って行います)
- ドナー毛植え付け
事前に用意するもの
脱毛や、麻酔注射なので出血をともなう作業なので、その箇所のケアが必要になります。そのために事前に用意するものが以下の通りです。
- 消毒用液体(後頭部のグラフト採取の部分の炎症を抑える)
- クリーム(こちらも炎症を抑えるクリーム)
- ベビー用シャンプー(2日目以降、使用します)
- ネックピロー(1週間ネックピローで寝て、寝返りをしないようにします)
- 枕カバー(枕が血で汚れるのでおねしょシーツのようなものを用意しておくと良いです)
1.脱毛、グラフト採取(ドナー採取)(10時〜13時)
まず植え付ける毛を後頭部から抜きます。部分麻酔をするので注射を打ちますが、最初の10本程度がまず痛い。後頭部を丸く描くように針を刺していきます。1周するとだんだん麻酔が効いてきて、それ以降は痛くありません。全部で30回ぐらいは刺されたと思います。
寝台ベットの頭部に穴が空いていて、うつ伏せになり2時間半、この状態でひたすら後頭部の髪を毛根から抜かれます。麻酔でほとんど感覚がなく、途中、睡魔も襲ってきて少し寝てしまいましたが、終わってみると、枕には血がついていて、ある程度の出血があったのだと認識しました。
2500個のグラフトが抜かれることになります。
2.頭皮にホール作成 (13時〜14時半)
今度は移植する場所の頭皮にホールを作るので、前頭部に麻酔注射が行われます。これも、後頭部と同様、最初の10本程度がとても痛いですが、いったん麻酔が始まると気にならなくなりました。結局前頭部も30回ぐらいは麻酔の注射で刺さレました。
頭皮にホール作成はボールペンのようなもので刺していきます。2500グラフトと数が決まっているので、その数を数えようと、アシスタントは手にカウンターを持って、大学生の交通量調査アルバイトのようにカチカチとカウンターで数えていきます。
針で刺すようにズブズブと刺していきますが、麻酔が効いているので全く痛くありません。想像すると怖くなるので、もう自分の頭ではないと意識しながら冷静に目を瞑っていました。
前頭部2000、頭頂部500のホール作成が終わり、2500の数が数えられるとドクターは手を止め、15分の昼食に入りました。
3.ドナー毛植え付け (15時〜17時半)
2で既に前頭部にも麻酔がかかっているので、ここでは注射はありません。ほっとしました。頭皮にホールを2500個開けたので、そこに1で採取したグラフトを植えつけていきます。仰向けになり、3人のアシスタントに囲まれて、その3人が左右てっぺんと3カ所を集中的に、ピンセットでグラフトをとって植え付けるという根気のいる作業で、2500カ所に植えつけていきます。
診療室内にはラジオが流れ、差し支えないポップミュージックが流れ、ひたすら目を瞑って我慢です。アシスタントのお姉さんが歌おうと、雑談しようと、構いません。手は止めなかったので、納得のいくサービスでした。
このセッションは麻酔された頭部にグラフトを植えつけるだけなので、作業中に少しお昼寝もして、快適なセッションでした。
植毛手術終了
2500個のグラフト植え付けが終わると、再び写真撮影、アフターケアの再確認などが軽く行われ、着替えてすぐに帰れました。待合室では本日、植毛手術をした他の男性が座っていて、頭皮が血塗れになった男が2人向かい合って座っている光景は異様でしたが、クリニックの人たちは慣れているようで、何事もない普通の業務をこなしていました。
とりあえず無事手術は終了。もし気分が悪などの場合は運転は控えたほうがいいと言われましたが、特に問題なかったので、そのまま2時間半運転して滞在先にもどりました。(可能であれば近所でホテル一泊をおすすめします)
今回の自毛植毛の記事は当日の全容を紹介で、アフターケア、その後の様子については来週の記事で紹介したいと思います。お楽しみに。
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