イギリスで金魚を買えなかった話 ~イランのお正月~

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

こんにちは、ミルミルです。

今日はイランのお正月、Nowruz(ノウルーズ)です。

イランでは太陽が春分点を通過するとき、つまり昼と夜が同じ長さになるとき新年になるそうなのですが、今年はイギリス時間で今夜の21時58分、イランでは明日、21日01時28分だそうです。

ノウルーズとは日本語で「新しい日」という意味で、春の始まりです。

日本でも明日21日は春分の日ですね。

ハフト・スィーン

お正月が近くなると、皆さん家の大掃除をし、新年のために服を新調したりご馳走の準備をしたりと、日本の師走のように気忙しくなりますが、イランのお正月に欠かせないのが上の写真にあるようなハフト・スィーンと呼ばれる縁起のいい飾り物です。

ハフト・スィーン(ペルシャ語で7つのS)とは、ペルシャ語のSの発音で始まる7つのものを飾るというものです。地域などによって少し違うようですが、以下のものが代表的なものでそれぞれ意味があるそうです。

リンゴ(スィーブ)・・・健康、美

酢(セルケ)・・・忍耐

ケバーブなどにかける赤色のスパイス(ソマーグ)・・・光、希望

にんにく(シール)・・・医学、薬

麦の芽(サブゼ・・草の意味)・・・再生、復活

小麦から作られたお菓子(サマヌー)・・・豊かさ

干したグミの実(センジェド)・・・愛

写真にクッキーがありますが、これは7つのSではありません。サマヌーは麦芽を原料としたお菓子です。

この他に、コイン、鏡、ヒヤシンス、卵、金魚なども縁起物として一緒に飾られます。

我が家でも毎年イランの新年が近付くとこのハフトスィーンの準備をしますが、ある年、金魚を買えないということがありました。

いつも同じお店で購入していたのですが(毎年この時期になると金魚をただ一匹買っていく変なアジア人だと思われていたかもしれません)、その年は閉店となっていました。そこで、そこからすぐ近くのチェーンのペットショップへ行き買おうと思ったのですが・・・。

「金魚を一匹ください。」と言うと、

「水槽はある?」と店員さん。

「金魚鉢にとりあえず入れます。」と答えると、

「それじゃ売ることはできないわ。」と、さらっと。

そんな愛想のない言い方をしなくても、とちょっと悲しくなりましたが、家に別の魚を飼っている水槽があったので、

「水槽あります。」と言うと、

「どれくらいの大きさ?」と店員さん。

「これくらい」と手で示してみると、

「何匹いるの?」と店員さん。

「2匹です。」と私。

「やっぱり売れないわ。」とスッパリ。

そんな~!と思いましたが、もう少しがんばって、

「それじゃ池で飼います」と言うと、

「大きさは? ポンプは? 魚の数は?」など、またまた質問攻め。

何と答えれば正解なの~!! 小心者の私は正直に、

「ここからそこぐらいで、ポンプはない。魚は〇匹。」とお店の床を指すと、

「売れないわ。」とあっさり。

結局、店員さんの満足のいく答えを出すことができず金魚を買うことはできませんでした。

金魚一匹買うことがこんなにも難しいことだったとは・・・。

後で調べてみると、そこのお店では一匹に対して25~30リットルの容量のタンクを推奨しているようでした。

あの店員さんの勝ち誇ったような顔を思い出しながら、じゃ、なぜ池ではダメだったの?ポンプがないから?といろいろ考えましたが、次の年からは以前のお店が再開店し、問題なく金魚が買えています。今までの金魚ちゃん達も池でスクスク育っています?

無病息災

日本では小正月に「どんど焼き」が各地で行われますが、イランではノールーズの前の最後の火曜日の晩(火曜日の日没から水曜日の未明にかけて)に「チャハールシャンベ・スーリー」という無病息災を願う行事があります。「私たちの黄色(病気)はあなたのもの あなたの赤色(健康)は私たちのもの 悲しみは去り喜びがやって来い 不幸は去り幸運がやってこい」ーウィキペディア参照ー と言いながら焚き火の上を飛び越えます。

そして新年13日目はスィーズダ・べダルといい、家にいては縁起が悪いとされ、家族みんなでピクニックに出かけます。そこでハフトスィーンの一つである悪運を引き受けてくれる麦の芽(サブゼ)を川に捨ててきます。

2月の豆まき、そして3月のイラン行事で、我が家の厄払いはばっちりです。

 

似ている日本とイランのお正月

日本のお正月のように、イランでも家族が集まって新年を祝います。そして年長者を敬う精神がまだ強く残っているイランでは、年始の挨拶まわりも大切です。また、この時期は長い休みをとって旅行に行く人たちも多いようです。

そしてなんと、お年玉もあるんです! できるだけ新札を、というのも日本に似ています。

うちの子供たちはクリスマスにプレゼントをもらい、1月と3月にお年玉をもらい、私よりもお金持ちです。

日本にも独自の年号がありますが、イランにも西暦とは別にイラン暦があります。新年は1398年、皆さまにも素敵な春が訪れますように!

 

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About the Author: ミルミル

東京都出身、在英18年。イラン人の夫と子供2人の4人家族。最近ハムちゃん2匹が家族に加わりました。

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