こどもに学習障害があったことが今さら判明した話②

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お待たせいたしました!
昨日のやったら長い前置きをお読みでない方は是非こちらからどうぞ。

本題はここからです

そもそも学習障害とは何なのか、その定義は、文科省のウェブサイトによると、

「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」

と言うことです。

  • ディスレクシアがその代表的なものかも知れません。(文字がひっくり返ったり、書かれた順番で認識できない。日本人には稀ですが英語学習が始まってから発見されることもあるようです)
  • A D H D(注意欠陥多動障害)とか、
  • アスペルガー症候群などを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

うちの子が持っていると疑われているのは「アーレン症候群(Irlen Syndrome)」です。聞いたことあります?私たちはありませんでした。


娘の学校のS E N(Special Education Needs、学習障害児支援)担当の先生から、「あなたそうじゃない?」と本人が言われたのがことの始まりです。「疑われている」としたのは、今ちょうど専門家による診断を待っている状態だからです。この言葉を聞いてから、夫とともに検索しまくり「いやん、ほんまこれやん!」、ストンストンと腑に落ちること落ちること。

しかも、人口の12〜15%に、なんらかの形でこの特性を持つ人がいるそうです。ウソやろ、じゃあなんでこんなに認知度が低いねん?知らないって恐ろしいことです。


「うちの子、バカではないし、得意科目はよくできるんだけど、なぜか一切読書しないし、机に座ってカリカリ勉強しているところみたことないわー。ま、成績もそこそこいいし、心配はしてないけどね」と思っているそこのお母さんにお父さん。そのお子さん、アーレンかも。

「光感受性障害」とも呼ばれるアーレン症候群の特性というのは人それぞれであり、いろいろな症状がありますが、主なものに、「視力には問題がないのに、白い背景に細かい文字が並んでいるのを見ると、字が歪んで見えたり、字に後光が射した感じになったりして、苦痛で本や新聞が読めない」というものがあります。うちの子も、今までずっと「本を読まない子供」だと思っていたら「本を見ることができない子供」だったというのです。

私たちは最初に主に英語のウェブサイトを検索し、アーレン症候群には治療法がないものの、症状を和らげるのに、色付きフィルターが役に立つことがわかりました。ただ、どの色がその子に合っているのかは、実際に全色試してみないとわかりません。アマゾンUKにアーレン対策フィルターが、15色入りでお手頃価格で売ってることをあっさりと発見し、早速アマゾンプライムで注文。

もしこれで全色なんの変化もないなら、アーレンじゃないってことにもなるし、家庭でできる自己診断の第一歩として使えます。




こんな感じで使います(タップでYoutubeに飛びます)。


翌日届いたフィルターを娘に使わせると、「あ、これ見える、これも。字が動かなくなった。」と3色選びました。やっぱりそうやったんや…

このことを学校に連絡し、同時にネットで見つけたアーレン診療所の英国支部で、本人の生活を向上させるアーレンレンズ眼鏡を処方してくれるところが、自宅から遠くないところにあることがわかり(ここ)、そこにもメールで連絡してみました。

☆記事を書いてる途中で、こんなブログを見つけました。
https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026428/
私のように、18歳まで気づかないなんて失態を犯さず、8歳で診断を受けた娘さんをお持ちのお母様です。とてもわかりやすく説明されているので、是非こちらを参考にしてください。ていうか、これ読んでもらったら、ちこちゃん、もう書くことないし…。


早くも連載中止決定か?


でも、これだけは言いたいんです。
うちの子は実は、グラマースクール(入試の厳しい進学校)に通い、G C S E(中学卒業相当の全国統一テスト)」も英語、英文学ともにスコアが9(最高値)、その後はAレベル(大学進学コース)で英文学を選択している、いわゆる優等生です。そんな障害があっても、ここまで頑張ってるってすごくないですか?いや、すごいと私は思っています。(昨日言ってた自慢てこれ?これや!あかんか?)
「アーレンじゃなかったら、天才やったんやん、ごめんな、ママ気づかなくて」ってここのところ毎日娘に言ってます。

アーレン症候群の特性を持っているこどもたち(大人も)は、「普通の人」が経験している状態を知らないので、自分が特別という自覚さえありません。
でも、それを親が少しでも先に気づいてあげることができれば、今よりももっと生活を快適にしてあげられるかも知れないのです。

うちの子は、横縞ブラインドは動いて見えるもの、本を読むのが苦痛な自分は怠け者、球技が下手なのはどんくさいから、と思って18年間生きてきたようです(これらはアーレンの特性の一部です)。健気過ぎて、ママ泣けます。いや、それはちこママの偽善です、すいません。実はわたしも、ブラインド以外はそう思ってました〜〜。すまぬ、娘よ〜〜?



お子さんのいる方、もし少しでも思い当たることがあれば、ちょっと注意してお子さんをみてあげてください。このことを、ずっと前に知っていたらと、後悔は尽きません。もちろん、大人の方であっても、遅すぎるということはありません。

追記:アーレン診療所からご紹介を受け、このほど、判定の資格を持つ方(本職は学校の先生でご自身も重度のアーレンを持つ男性)に家庭訪問していただき、うちの子は正式に重度(!)のアーレン認定されました。NHSではなんのサポートもありませんので、費用は£65かかりました。でも、本人は、今まで自分が「劣っている」と思っていたことに原因があり、それを改善する術もあると言うことを知っただけで、つきものが落ちたよう。父母にも助けを求めやすくなったような感じがします。よかった〜〜

そして診断されようがされまいが、彼女が私の美しく、心優しく、そして聡明な娘であることはこれからも変わりません。


この後も、なぜ先生が気づいたのかとか、この診断が出てからの学校の対応、本人の様子など、続きをお伝え出来ればと思ってます。でもまた、送り迎えや、フローズンショルダーの話同様、続かないかも知れません(「ああ、そういえば、そういうの書いてたん覚えてるわ!」いう人います?(笑))

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About the Author: ちこちゃん

南ロンドンに住んでもう20年が過ぎてしまいました。来た当初に経験した愕然としたこと、怒りに髪の毛が天を突いたことなどがすっかり標準化してしまった今日この頃。日本人としてのアイデンティティを失わないよう頑張っています。

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2 Comments

  1. 佐藤 杏子 27th November 2019 at 3:43 pm - Reply

    アーレンシンドロームについての記事、拝見しました。youtubeも見ました。正直な感想ですが私も診断を受けたいと思いました。
    私毎になりますが、視覚に多少問題を抱えて居て、『光に過敏である状態』と眼科医から伝えられて色付き度有りのレンズを作成しようと思案中なのです。
    私の場合は、眼鏡店でカラーを選ぶ時、紫かグレーに近い色合いだと文字が見やすく感じました。
    自分にとって不快であったり、不自由を感じる事を前例や知識を持たぬまま自分以外の人に伝えられるか?と言われると難しいと私は感じます。
    耳から入る音の情報には自分なりにも他者からも標準的な速さで対応出来るのですが、白地に黒い文字が見えても『言語としての概念を解釈する速度が著しく遅い』と言うのが今の私の現状です。
    原因に重きを置くと『ストレス』と判断され様々なリハビリをする時期も有りましたが、対処に重きを置き他者の支援を受けたり『書面より耳から入る音で同じ事を説明して頂きたい』と言える状況の場合は私の認知機能は問題が見られません。
    昨今、日本ではやっとこさ『能力の個人差、凸凹』についてデメリットよりもメリットに留意した視点の記事や見解を目にする事が増えて来ました。
    もはや『障害』と言う言葉に疑問を抱く当事者ご家族も増えて来ているのかなとも私は感じて居ます。
    だって、個々の能力に応じた環境に身を置けて協力し合える状況において当事者の目的や目標をクリア出来ているのならば『障害?』になるのじゃないかしらと言うのが私の意見です。
    少し本題からそれましたが、私にとってちこちゃんさんの記事はまた一歩前進、抱えている困り事に対処(コーピング)を増やせた有り難い機会になりました。感謝します。
    最後に一言。私はタブレットやスマートフォンの画面の白地に黒い文字、医師から時間制限を得て居ます。長くなりましたが、私毎を読んで頂きありがとうございます。

    • ちこちゃん 2nd December 2019 at 1:10 pm - Reply

      佐藤様、コメントに気づかず、返事が遅くなってすいません。
      そうなんです、「障害」という言葉の使用には私も抵抗があるのですが、まあ、障害物競走のように、前に進む中で、飛び越えたりしなければならないもの、というイメージで使っています。
      娘を見ていても思いますが、他の人(便宜上、一般人と呼びますね)にできて自分ができないことがある分、一般人にはない能力が育っているように思います。
      一般人と比べて欠けている部分を補う努力をしたお陰で、その欠けた部分以上の力を持っているというか。
      娘の場合は、文書から情報を得るのが苦手な分、音や画像からすごくいろんなことを学んでいるようです。(人の話を聞いてないママと違うね、って言われました?)
      佐藤さんも含め、世の中そういう人たちが大勢いらっしゃるはずです。
      世の中(特に日本)、それをメリットと認め、ダイバーシティの一部と受け止めて、みんなが暮らしやすい世の中になれば、もっといいと思います。
      これからもふわりをよろしくお願いします。

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