死産、不妊、そして妊娠~その2~

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どーも、たまさぶろうです。前回のたまさぶろうの記事、死産、不妊、そして妊娠~その1の続きです。どうぞお付き合いくださいませ。


亡くなった息子には3ヶ月違いの従兄弟がいます。私と姉は、偶然にも同じ時期に妊娠し、大きなお腹を見せ合いながら一緒に妊娠生活を楽しんでいました。息子亡き後、知らない妊婦さんや赤ちゃんを見るのは本当に辛かったのに、 不思議なもので、 甥っ子の存在にはすごく救われていました。もちろん、抱っこしたあとに息子を想って泣くこともありました。でも、甥っ子の中に息子を重ね、甥っ子の成長が励みにもなりました。

それである日ふと、亡くなった息子に兄弟を迎えてあげたい!という想いが込み上げてきたんです。半年近く経った頃だったと思います。

でも正直、半年そこらでそういう想いを抱くこと自体が不謹慎なのではないか私は新しい命を迎えるべきではないのではないか、と色々悩みました。 甥っ子や姪っ子と触れ合いながら、やっぱり子供って可愛いと思うんです。この手に我が子を抱きたい! 旦那も同じ想いを抱いてくれていたので、主治医の先生に相談しました。

実は死産後、妊娠前には毎月順調に来ていた月経は、パッタリと来なくなりました。主治医の先生は、死産後に大量に出血した事で、身体は生命維持の為に不必要な機能を停止したのであろう、とおっしゃいました。そこで、もっと専門の機関で診てもらった方がいいと、不妊治療専門のクリニックに通い始める事になりました。


不妊治療の始まり

新しい不妊治療専門のクリニックに通うことになり、血液検査等した結果、女性ホルモンの値が閉経女性並みに低く、自然には月経どころか排卵も難しいという結果になりました。

不妊治療の一通りの流れの説明を受けました(簡単に説明すると、①タイミング方②人工授精③体外受精④顕微授精となります)。

まずは排卵誘発剤(クロミッド)を使った投薬療法で月経を起こさせることになりました。ですが、2サイクルほど薬を飲んでも私の身体には何も起こりませんでした。

次に注射による排卵誘発法(タイミング法)に切り替わりました。ホルモン注射で卵巣を刺激して卵胞を多く育て、卵胞が成熟したのを確認し、妊娠のタイミングを計ります。この注射、毎日もしくは2日に1回ペースで打つので、週末も通いました。お尻に注射するんですが、これが痛いのなんのって!でも、弱音なんて吐いていられません。

もちろん簡単に妊娠にはつながりません。

妊娠につながらなければ月経が起こります。その度に打ちひしがれ、自分はダメな人間なんだと落ち込み、また己を奮い立たせ注射に通う・・・この繰り返し。 クリニックからの帰り道は、1人車の中で泣きました。不妊治療を受けてまで、妊娠にこだわること自体間違っているんじゃないか、いや、でも我が子を抱きたい・・・葛藤の日々でした。

治療をしながら並行して、あらゆる不妊の原因を探るため、卵管の通過性の観察や卵管の通過障害の診断のための通気検査と男性不妊の原因の一つでもある精子の活動量の検査もしました。 有難いことに、旦那にも私の卵巣と卵管の問題もありませんでした。

不妊治療は、主に女性が大変な思いをしたり、パートナーの検査への理解や協力が難しかったりする事もあるようですが、必ずしも女性だけに問題がある訳ではありません。半数ほどは男性側の問題だそうです。でもね、どう考えても、女性に多くの負担がかかるのが事実なんです。毎朝の検温にしろ、投薬治療にしろ、注射にしろ、実際に行動に移すのは女性。身体の負担だけじゃなくて、心にも大きな負担がかかってきます。

たまさぶろうがどうやって、それらを乗り越えたか・・・乗り越えてなんかいません。当り散らしました。苦しい、しんどい、辛い。旦那に訴え続けました。死産を経験して、その上不妊治療って・・・生きるって、しんどいことばっかりやなって思ってました。それと同時に、妊娠するって、本当にたくさんの奇跡が重なって起こってるんだと、痛感もしていました。

ところで、婦人科クリニックとはいえ、私の主治医は男性の先生。治療開始当時は恥ずかしい気持ちもありましたが、何回も何十回も通う度、そんな気持ちは消え去り、先生に対して私の闘いに参加してくれている同志のような気持ちを勝手に持っていました。先生は寡黙で、決して多くを語らず、いつも私の話を静かに聴いてくださる方でした。

5サイクルほど試したとき、もうこれ以上頑張るのが嫌だと、泣いて先生を困らせたことがあります。排卵誘発法(タイミング法)を諦めて、人工授精に切り替えなければならないのでは?とも聞きました。

でも先生は「あなたはこの方法で必ず妊娠できます」とおっしゃってくださいました。今思えば、そんな断言しちゃっていいの?と思いますが、何かしらの根拠があっておっしゃっていたのだと思います。

そして、7サイクル目の治療で、念願の妊娠につながりました。

寡黙な先生が、大喜びで泣く私と共に泣いてくださった事、今でも忘れられません。

不妊治療、期間にして1年半程。それが早かったのか遅かったのかは分かりません。ただただ、亡き息子に弟か妹を迎えてあげられることが嬉しかった。

その3に続く・・・

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About the Author: たまさぶろう

南東ロンドン在住、高知県出身。編み物が好きで、毛糸を見るとすぐに買うので、見ないようにしている。ストレス解消方法は掃除。 ONE OK ROCKをこよなく愛する2児の母。

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