愛の言葉(Love Language)

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

お久しぶりです。ちこちゃんです。

本日は青空が広がり、外の様子を家の中から見ていると暖かそうでしたが、一歩出たら寒かった。

夏と冬とどっちが好き?と聞かれたら、イギリス限定で言えば気温が低くてからっとしていて、いつまでーも太陽が沈まない夏に決まっていますが、暑いのと寒いのとどっちが好き?と言われたら、ちょっと考えますね。申し訳ないですが、こちらに長く住んでから戻る日本の(京都の)夏はもうねぇ、だめですわー。子供の時は暑い方が当然好きでしたが、もう暑くてしかも湿気が高いので外に出られない、せっかく日本に帰っているのに全然楽しめないという事態になりかねないので、寒い方がましかと思ったりもします。

特にわたしはこの辺りでたまーにある、冬の晴天の日が好きです。帽子がなければ頭が凍りそうな、放射冷却でキーンと冷えた空気を感じるのが好きです。こんな日にロンドンを散歩するなら、バッキンガム宮殿まで歩いて、ビクトリア女王記念碑の金の勝利の女神の像を見上げたい。これは大昔に初めてロンドンに来たときに鮮烈に記憶に残ったイメージです。抜けるような青空を背景に、太陽を浴びて輝く黄金の像を下から見上げる。この風景だけを切り取ったら、排気ガスで汚れた空気も澄み、薄汚れた街角もなかったことにしてしまえそうです。

女神様、後ろ姿ですみません



といっても今日はロンドンに散歩に行く余裕はありませんでした。なぜなら、クリスマス前に帰省してからずーっと家にいた大学生の娘が明日、地方の街へ戻ってしまうからです。妹が行ってしまうと頻繁には会いづらくなるため、ロンドンのセントラルでハウスシェアをしている姉も戻って来ていました。今日は腕を振るって二人の好物を作ってやらなくっちゃ。





次女が去年の9月に進学してから初めて帰って来たときに、おもむろに言いました。
「ママのLove Languageって食べ物だよね」と。

は?ラブランゲージ?愛のささやき?口説き文句?ピロートーク?花より団子?食いしん坊万歳?

まがりなりにも翻訳の仕事をしているちこちゃんですが、当たり前とはいえ、知らないことだらけです。ラブランゲージなんて言われたら、男女の恋愛のコミュニケーションの方を想像してしまいました。でもそれと食べ物がどう関係あるのよ。しかもなんで娘にそんなこと言われるのよ。

「それってどういうこと?」と聞いてみました。

「ママってさぁ、私たちが落ち込んだり、悲しくしているときって、美味しいもの作ったり、レストランに連れて行ってくれるよね。だからママのラブランゲージは食べ物だって思うの」

ああ、そういうことね。ランゲージだから言葉って意味に引っ張られたけど、つまりは「愛情表現の手段」ってことねー-。

ちょっと待って、それって普通ちゃう?元気になってもらいたいと思ったら、美味しいもの食べさせたいってだれでも思うんじゃないの?読者の日本人のお母さんやお父さん方そうじゃないですか?

「え、それってママだけなん?日本の友だちとラインとかしてて、『娘とケンカしてる』とか『息子が落ち込んで帰って来た』って聞いたら、「美味しいもん作ったげ!」ってママ言うし、その友達もそう言ってくれるよ」

「それがさぁ、ママ。こっちの人たち(現地のお友達)はそうでもないよ。」

「なんで知ってるん」

「家に遊びに行ったらわかるよ。例えばさぁ、私は大学の寮のキッチンでママの料理を再現することは不可能だけど、友達たちが作るものって、実家で食べてるものの若干レベルダウンしたバージョンに過ぎないよ。もちろん、実家に帰ってサンデーロースト食べたい、とか、ボロネーゼ食べたい、っていう子もいるけど、家に帰っても、ごちそうって言ったらまあテークアウトとか、日ごろのディナーはレディーミール(チンするだけ)で、しかも家族揃って食べないし、とりあえず、食に対する態度がイギリス人と日本人とで違い過ぎる。もちろんほとんどの子にとって大学の自炊飯は不味くて貧しいよ、でも家での標準があまりに低すぎてその落差があまりないと思う。わたしが大学に行って一番つらいのは、ママのご飯が食べられないことと、ママと外食ができないこと。」
...ママに会えないこととちがうんかい。

誤解を招かないように言っときますが、私は決して料理が上手でも、得意でも、ましてや好きでもありません。日本の標準で言えば、相当底辺の、できれば料理なんてしたくない。ズボラ飯追求型です。


ただ、同じ食べるなら美味しいもの食べたい。仕方ないから自分の食べたいものを好きなようにできるだけ楽な方法で作る。そして美味しいものが食べられるなら多少の出費はいとわない。その程度の人間です。

結局は、イギリス人、なんでそんなに食に対する執着がないの?てことでしょうか(注:もちろん個人によって違うでしょうし、あくまで娘の観察からの報告にもとづく感想です)。
まあ、その分ハグや、キスや、それこそ本当の言葉で “I love you”を連発して、愛情表現してらっしゃるんだろうなぁ。ちこちゃん苦手なやつや。

懲りずにおめ汚し。この程度ですわ。



てことで、ここまで言われたら半ば義務感にもなってしまい、うちの最後の晩餐は、骨付きもも肉から骨を外すとこから始まる唐揚げ、ジャガイモの皮をむくことから始まるコロッケ、冷凍エビを解凍するところから始まるエビフライ、白ごまを炒るところから始まるインゲンの胡麻和え等を、2時間以上かけて準備いたしました。年頃の娘たちはそれぞれ、この写真の3倍量を消化し、ママの愛情をふんだんに浴びて、機嫌よく帰途に付きましたとさ。

「ちこちゃん、デジャブや。このネタ、前も使ったで。」と気付いた方も、「噂通り、イギリス人って『さもしさ』がなくていいよね」と感動された方も、ヒツジとラマのポチお願いします。


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About the Author: ちこちゃん

南ロンドンに住んでもう20年が過ぎてしまいました。来た当初に経験した愕然としたこと、怒りに髪の毛が天を突いたことなどがすっかり標準化してしまった今日この頃。日本人としてのアイデンティティを失わないよう頑張っています。

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