令和なのに、いまだに浅倉南を許せない理由

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

あだち充著『タッチ』より

35歳を超えたあたりから、「何歳で寿命を迎えるとしても、このまま特に何かの役に立つでもなく、後世に残る様な発見をする事もないまま死んでいく確率が極めて高いだろうという事実をいかに受け入れるべきか」という事に思いを馳せてきました。

それと同時に、「なぜ私は自分が何歳になっても浅倉南(あだち充著『タッチ』に登場するヒロイン。昭和を代表する漫画の登場人物)のことが嫌いなのか」という疑問も抱き続けておりました。

まさか上記の二つの疑問が同じ出所だとは気付いていなかったのですが、ふとした時に気付いたのです。「私は自分では気づかぬうちに、生産性に対して異様に執着しているのではないか」という事に。

生産性に執着していることが原因だと考えられる症状

家事が辛すぎる:料理も掃除も本来はそこまで嫌いではないのにも関わらず、夫や他の大人たちが「稼げる仕事」をしている時間帯に、自分は家事をしなければいけない状態にある→(経済的な)生産性が低い
・夫が頑張って仕事をしているのは大変ありがたいが、夫よりも自分の稼ぎが少ない(稼ぐ能力が低い)のが辛すぎる(経済的な)生産性が低い(家族単位で考えると、夫が稼ごうが妻が稼ごうがどちらでも良いと思うけれど、私の思考が自分中心主義なため、この様な結果に)
病気や怪我への恐怖感:痛みや苦痛で体が思う様に動かなくなるかも?→生産性が低い
健康な生活習慣や食生活が気になりすぎる:病気になるのが怖い→同上
子供の将来が不安すぎる:親である自分の接し方ミスで、将来自立できない子供になってしまうかも?→生産性が無い
浮気&風俗理解できない:妙な病気感染の可能性が高くなる→生産性が無い
ドラッグ、ギャンブル等理解できない:心身への影響が大きい→生産性が低い
大発明や発見をしていない事への恐怖生産性が無い
某メンタリストや元お笑い芸人の動画を観て、一発逆転できないか思いを馳せる:生産性、効率性への飽く無き欲望→生産性が無い自分への恐怖
漫画原作のアニメやドラマを観る気がしない:妙な間やBGMが邪魔、自分でページをめくったほうが早い→生産性が低い
特に誰からも訊かれていないのに、忙しいアピール及び仕事してますアピールを繰り返してしまう他人に生産性が無いと思われたくない、、、のかも?
浅倉南が嫌い:あれだけのスペック(容姿端麗、文武両道など)なのに、最終目的が「男性の応援」という立ち位置が理解し難い(時代もあるし、日本の文化背景考えると仕方ないけれど)。そんなに炎天下の甲子園行きたいなら、ビール売りになって、ボロ儲け(甲子園球場のビール売りは、売り子さんの容姿で売り上げがかなり違うと想像されるので、南ちゃんは有利なはず。っていうか、コロナ後もまだこの職は残るのだろうか。っていうか、っていうか、このバイトほど日本の男女の扱い方を露呈する職もないと思うわ〜)するくらいの気概がないと・・・→生産性が低い

FromAnavi より

まだまだありますが、大体上記の様な非常に短略的な思考回路が自分の中に存在していた事に気づいたのです。

要約すると

自分の力でお金持ちになれていない、出世できたり世の中の役に立てていない、比較的イージーモードなありがたい人生なはずなのに心が晴れないのが申し訳ない、というモヤモヤ感の出所は、私の場合、生産性が有るか無いかを判断基準にしていたという事にに行き当たる気がするのです。

本当、厄介ですわ、生産性。めちゃくちゃ振り回されてるわ。。。

というわけで、

生産性に拘らなければ、お金持ちであってもなくても良いし、健康であってもなくても良いし、家族や友人や自分が少しばかり道を外そうが真面目に生きようがどちらでも良いし、人様の役に立っても立っていなくても良いし、「せっかく生きているんだし、楽しまないと」と思っていたけれど、別に人生楽しくても楽しくなくてもどっちでもありなんだわ、という結論に達しました。

以上、超乱暴で横暴な思考回路を2度にわたって掲載させていただきました。

1回目 悟ったかもしれません・・・

まとめ

正直なところ、数週間前までは「悟った悟った、これで長年の鬱々した気分がめーーーっちゃ晴れた!!」と思っていたし、「お釈迦様が鹿にまで説法した気分、超分かる! 私もアリくらいには伝えておきたい」と感じていたのですが、ロックダウンが解除になり、自分の生活や子供たちの習い事がフル稼働になってしまい、生活様式が高速回転になった途端、悟りパワー消えました。。。。。本物の悟りまではまだまだ遠い様です・・・・ 本当は、無意識下の生産性への欲望に抗うためであったと考えられる行動についても書きたかったし、資本主義や民主主義の中で生きているからこその絡みも大きく影響しているので、その辺りも書きたかったのですが、悟りパワー無くなったので、やめました。

おまけ
私と同様「生産性」に囚われている方が、世の中にはどれくらいおられるか分かりませんが、診断方法としては、ミヒャエル ・エンデ 著『モモ』が使えるかと思われます。 子供の時はスッと受け入れることができた内容なのに、数ヶ月前に読み直した時に吐き気を感じ、まともに話を追えなかった(生産性を追い求めることを無意識に課している時には、気持ち悪すぎる話に感じる)。。。 現在は「なぜエンデ が亀を登場させたか」について、A4ペーパー5〜10ページ分のレポートを書きたい程度には回復しました。

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About the Author: たぬき

兵庫県南部出身。 ロンドン周辺の高級住宅街には一度も住む事がないまま在英10年以上。 常に転職を考えているフルート&尺八吹きです。 将来の目標は、読書環境(漫画も含む)と食事情が好みの老人ホームを見つけて、楽しい老後を迎えることです。

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