永遠に終わらない子供の送り迎え(パート1)

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さて、本日はイギリスで子供を持っていると避けられない、送り迎えのお話です。

イギリスでは、通常小学校5年生くらいまでは子供だけで学校に行かせられません。法律で決まっているわけではありませんが、小さな子供を大人の付き添いなく歩かせたり、公園で遊ばせたりすると、ソーシャルサービス(福祉事務所)に通報されて子供を持って行かれる、とこちらに来た当初にできたイギリス人ママ友にビビらされました。

また、長女がナーサリースクールに行き始め、次女がまだ生後数カ月だったころです。お姉ちゃんのお迎えの時間が近づいてきましたが、赤ちゃんはすやすやとベビーベッドで寝ています。走って5分の距離だからいいかと思って、手ぶらでお姉ちゃんを迎えに行き、「あんまりよく寝てるから置いてきちゃった」と前述のママ友に言うと、また「しーーーっ、そんな大きい声で言ったら通報されるよー!」と再度ビビらされました。子供は基本13才までは子供だけで家に放置すべきではないってことで妹は姉が行くところどこにでもついていかなければならないのです。(詳しいアドバイスはこちらで)

これも犯罪者と無責任な親から子供を守るためのルールなので仕方ありませんが、めんどくさいんですよねー。子供よ、早く大きくなって母を自由にしてくれ、と願ったものでした。

子供が成長し、一人で通学できるようになったとしても、おけいこごとや、友達の家も徒歩圏内にあることって滅多にありません。なので必然的に送り迎え人生、否、運転手人生は続きます。大きな声では言えませんが、私は17才の下の子を毎日車で学校に送っています。ママ友たちに「甘やかしすぎ!」と怒られるので、「学校の隣のジムの会員なのよー、でないと朝から行かないじゃん」とかって言い訳するのですが、心のどこかで全く頼りにされなくなるのも寂しいと思っているのかもしれません。どっちやねーーん。母心は複雑なのでした。

それでも立派に自立したお子さんと、子離れのできている親御さんの場合、子供の成長と共に学校の送り迎えはなくなるし、おけいこごとなども数が減ったり、友達の家にも公共交通機関を使って自分で行けるようになったりするので徐々に子供の送迎は減っていくはずなのです。

そのはずなのに、うちの場合二人とも、15才くらいから加わった送迎の項目があります。それは「夜遊びの送り迎え」です。こちらは近所のカラオケボックス(なんですよね?日本では?私の時代はディスコ(!)でした)とかもないので、ティーンエージャーの夜遊びというのはほぼ、ハウスパーティー(House Party)になります。

ハウスパーティーとは、基本的には、多数のティーンが誰かの家に集まり、音量高めに音楽をかけ、アルコール飲料が提供される(たいていは持ち寄り)イベントのことをいうようです。

イギリスはお酒には寛大な国なので、飲酒の年齢制限は極めて曖昧です。家庭での飲酒について法律では「5歳未満の子供にアルコールを飲ませてははならない」となっています。「ほなそれ以上はええんかい?」という議論になりますが、ここを見ると、15才未満の子供には飲酒させるべきではないという表現で、15~17才は大人の監督の下にオッケーて感じかしら。但し、お酒をお店で買えるもしくは飲食店で大人の監督無しに飲めるようになるのは18才から、というのは法律で決まっています若く見える人はIDの提示が必要なのでそれ未満の子供はIDを偽造しなければならないし、そもそも外で飲めるほどのお金もないので、友達の家に集まることになるのでしょう。自宅(庭?納屋?)を提供する親も寛大です。

我が家で、想定外のハウスパーティーになってしまったことが一度だけあります。その時は、長女14才の誕生日で、ソフトドリンク限定で16人友達を呼ぶことになっていたのですが、ゲートクラッシャー(Gatecrashers)といって、ソーシャルメディア経由(だと思う)で呼んでもいない上級生や知らない学校の子たちがうじゃうじゃと来て、お酒は持ち込むわ、なんだか“においの違う”巻きタバコは外で吸ってるわ、娘は泣き出すわ、ぶっちぎれたちこちゃんは、踊るヤングの合間を縫って、音源を切り、「パーティーは終わり!あんたら帰ってーーー!!!」と叫んだ経験があるので、それ以降、うちはハウスパーティー禁止令が敷かれることになりました。まあ、今から思えば、イギリスの若者の実態が目の当たりにできて、経験値が上がったと言えないこともないのですが。

(写真はイメージです)

映画のように、親のいぬ間のこっそりハウスパーティー(これがHouse Partyの定義であるという説も)というやつもあります。うちはこれもされたこと、あります!上記ゲートクラッシングの3年後くらいかしら。子供が二人とも別々にお泊りでよそのおうちに行くっていうから1泊だけ夫と友人宅に泊まったら、長女がこそっと友達を連れて帰ってきていたという…禁止令違反が発覚したときのちこちゃんの怒り、想像してください…

話が大幅にそれてしまいました。ウチではなくよそ様のお宅に行く時の話でしたね。昨今次女が呼ばれるハウスパーティーは、親が二階で待機していることも留守であることもあるそうですが、いずれにしてもその家々は広範囲に散らばっているのです。時間も当初は午後7時開始の10時終了って感じだったのが、年齢が上がるとともに遅くなってきます。ナイトバスで帰って来たり、友達の家に泊まるケースもあります。でもそっちの方が心配じゃないですので結局、その会場に親が送って行き、終わったころに迎えに行く羽目になるのです。

夜中に迎えに行くのは面倒ですが、行けばいいこともときにはあります。友達2~3人をそれぞれの家に送り届けたりするときなどは特に面白いです。いつもは遠慮がちな子も、酔った勢いで大胆になったりします。「あのぉ、おばさんも乗ってるんだけど?」ってこっちが思うくらい、発車時に大声で男の子に向かって叫んだり、おおっぴらに「あの男子がかわいかった」とか、「あの女がビッチでとんでもなかった」、とかヤングな会話を車内で繰り広げるわけです。こうなったら、わたしも「あんたたち、お酒なんて飲んで!」なんて野暮なことは言わず、その会話に加わります。「その子、どこの学校?」とか「そのビッチ、それはちょっとあかんやろー」みたいな。

そして数日後、子供から「ちこちゃんって話のわかるクールなママねって友達の間で評判よ」って報告を受けるわけです。Result!「よっしゃ」のポーズ。

とまあそんなハウスパーティー送迎期間が数年続きます。

そして18才になると、ついに堂々とパブなど公の場所で飲めるようになり、ハウスパーティーも激減します。バイトをしているのでお金もあります!ナイトクラブにもフェイクID無しで行けます!!勝手にUberアカウントを作ったりもします!!!17才になったら自動車免許だって取得可能だから、彼氏(彼女)が送り迎えをしてくれるケースだってあるでしょう(ちこちゃんにもアッシー(!)がいた)。それどころかママの夜遊びの送迎を子供がするっていう夢のような話だってあってもいいはずです!なのに…。そうは問屋が卸さなかった件、来月21歳になるお騒がせ長女の夜遊び送り迎え話を次回、できればと思います。


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About the Author: ちこちゃん

南ロンドンに住んでもう20年が過ぎてしまいました。来た当初に経験した愕然としたこと、怒りに髪の毛が天を突いたことなどがすっかり標準化してしまった今日この頃。日本人としてのアイデンティティを失わないよう頑張っています。

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