永遠に終わらない子供の送り迎え(パート2)
そろそろ春が来るかなぁと何かの勘違いをして、まだ1月だったことに気づいてがっくりきているちこちゃんです。ここ数日寒いですよねー。
さて、前にした子供の送り迎えの話、特に夜遊びの足になっている話の続きをしたいと思います。
次女には毎日いいように学校だのパーティーだのと運転手としてこき使われていますが、長女は地方の大学に行っているので、送り迎えを頼まれるのは、自宅と下宿の長い往復か、こちらに帰っているとき限定になります。
少し前の話になるのですが、こちらの幼馴染の誕生日パーティーがロンドンのポッシュなクラブであるからと、娘が週末に戻ってきたことがあります(荷物が少ない時は長距離バス利用)。その友達は、すでにロンドンの某デパートの高級コスメカウンターで働いていて、今ではとってもおしゃれで魅力的な女性です。
娘から聞いた話ですが、ロンドンの有名なナイトクラブは「プロモーター」と呼ばれる人たちを雇っていて、その人たちのコネでおしゃれな若者を連れてきてもらって、普通なら1,000ポンド以上するようなVIP席を無料で提供するのだそうです。Good-lookingでattractive なお客に来てもらったらお店のイメージが上がると言うことなのでしょう。そういう子たちはソーシャルメディアのフォロワーも多いし。
娘の友人もそのようにしてVIP席の無料提供を受けたそうで、そのパーティーに呼ばれた貧乏学生の娘は何を着ていくか等、ちょっとアウェイな感じで戸惑っていた様子。最近のロンドンのナイトクラブ事情はさっぱりわからないちこママですが、勝手に頭の中で「マハラジャ祇園」(注:むかし京都にあったディスコ。最近復活したとか?)のガラス張りVIPルームのような場所を想像して、いいなぁ、私も行きたいなぁと思っていました。
いつもはメンズサイズのトレーナーにトレパン、スニーカーの娘もこの日ばかりは、ドレスやメイク用品や、プロムの時に履いた高さ20センチはあると思われるハイヒールをカバンに詰め、そして母がバブルの時にミツグくん(!)からもらって後生大事にしているゴールドのピアスを借り、一緒に準備をするためまずはその友人宅に行きました。もちろん送って行ったのは母です。でもこういう時は大抵友人宅に泊まるので普通はそれでお役御免です。Have an awesome evening.
その夜は夫もゲームナイトと称して友人宅に行っており、私は夜なべ仕事をしていて、そろそろ寝ようかなと思ったころ、コキンとスマホが鳴りました。長女からファミリーアカウントにメッセージが入っています。読むと「もう帰りたい」と。
なんかえらい早いなと思ったのですが、コキンコキンと入ってくるメッセージを読んでいると、そのナイトクラブに入れなかった模様。入店拒否にあうほどみっともない恰好ではなかったはず?「ちがうのママ、バウンサーとけんかしたの。」「は?」
バウンサーというのは、ナイトクラブの入り口の前に立っている、一般的には体のデカい、マッチョなセキュリティ役で、お客の品定めをして、中に入れる人を選ぶといういやみな仕事をしている人です。無料でVIP席を提供してもらった人のパーティーのゲストですから、入れてくれて当然でしょう。もしかしてすでに泥酔してたとか?
心配になった私は娘に電話をしました。「ちがうってば。私はシラフで入場料20ポンドも払って中には入ったの。でもバウンサーが「おっ彼女いいじゃん、くるっと回って見せて」とか言うから、「なんであんたのためにそんなことせんとあかんねん」て言い返して言い合いになったん。で、そこでもめてしまって、マネージャーが出てきて、アグレッシブな客は帰ってくれって言われた」と半泣き。
「WTF!?(What the F%#@の略字「なんじゃそれ!」の意味)それって詐欺やん!!!」とちこちゃんはまたまた怒りました。#MeTooやTime‘sUpのこの時代に、しかもサフラジェットを生んだ英国で、そんなことがまかり通っていいのでしょうか。
「ママが訴えてやる!」と、怒り心頭に達した母を今度は娘がなだめる番になって言いました。「いいのママ。世間ってまだまだこういうものなの。マネージャーは、うちのバウンサーがそんなこと言うわけないって言うだけだから。友達のパーティーを台無しにしたくないから、一人で帰る。でももう電車がないし、Uber頼む残高もないし、地下鉄の終点まで迎えに来て」
ほな、行かなしゃぁないやん。
結局ちょうど友人宅から帰るところだった夫が遠回りをして娘を無事ピックアップしてくれました。家に帰ってきたら気持ちもだいぶ落ち着いていたようで、私も一緒に夜更かしをして、いろんな話をし、その夜は機嫌よく就寝しました。そしてこのことはもう話題にしないことに。なので皆さんも、これは内緒にしておいてくださいね(ブログで世界に発信されてるっちゅうねんw)
でも、今から思い出しても納得いってないです。イギリスは女王が君臨しているし、政治、クイズ、スポーツ、バラエティ問わず、テレビでも多くの女性が添え物じゃなくてメイン司会してるし(ギャラの不均衡はあるらしいですが)、実業家も女性が多い。知ってる人も怖い人、いえ、しっかりした人多いです。なのに女性を飾りモノのように扱っても許される文化はまだまだ根強いのですね。バウンサーに媚びずに歯向かい、マネージャーから退場命令を食らった女って、一体どんだけ暴れたん?とも思いますが、ちこちゃんの血を引き継いだのか、逞しい女性に育ってくれたと誇らしくもあったできごととなりました。
そんなこんなで送り迎えはやっぱりしばらく終わらなさそうです。過去にエリザベス女王の夫であるフィリップ候が97才で車を運転して事故を起こしたことが話題になっていましたが、たぬきさんの記事のようにイギリスの交通事故率に貢献したくないので、私も夫もそこまで運転を続けることはないでしょうけど。
ちょっと、娘たちは免許取れる年だよね?というツッコミが聞こえましたが、その件はまたいずれパート3で。
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