春の日本滞在記2
昨日の続きとなります。よろしければこちらから。
さて、父のために繰り返される法要の読経を聞く中で、どうしても考えてしまうことがありました。
こちら英国でも、夫の両親を見送り、英国国教会式の葬儀を経験しています。カトリックの場合や、個人個人でまた違うとは思いますが、それはあまりにもあっさりしたものでした。教会で牧師さんとお祈りをする機会は葬儀のときと、お骨納めのときだけ。親戚が集まったのは一度だけ。そしてうちの義両親の場合、墓石を立てたお墓もありません。仏壇なんてもちろんありません。
故人の旅立ちのためにたいそうな準備をしてあげることは、家族を失った悲しみに打ちひしがれる時間を与えてくれません。でもその中で悲しみが薄れるということではなく、徐々にお別れをする気持ちが固まってくる気がします。そしてこれだけやってあげるんだから、故人も絶対に成仏する!という確信が持てるようになるんだよ、と親戚のおばちゃんが教えてくれました。小学生か(笑)
そして、母が祭壇に向かって、父に話しかけ、歌を歌っている姿を見ると、これが仏壇の仕事だなぁ、と気が付いたのです。祭壇の上でほほ笑む父の遺影に向かって話をしていたのは、実は母だけではありません。生前は近づきがたい昭和の父の見本のようだった彼に向って、面と向かって言えなかったことをべらべらしゃべっていたのは他でもないわたしでした。
閑話休題。
父の初七日が過ぎてからは、未亡人の相手をしつつ、テレビのワイドショーなどを見る余裕も出てきました。
京都では、1月ごろから海外からの観光客が激減し、経済危機だと言われていた中、咲き始めた桜につられるように、市外から観光に来る方も多く、お店やお料理屋さんは営業を続けておられました(それでも売り上げは例年とは比較にならないとみなさん泣いておられます。これが落ち着いたら行ってあげてくださいね)。
実家周辺も桜が満開となり、ちょっと犬の散歩をしただけで、お花見ができました。京都に来る前には、清水寺や、伏見稲荷など、通常参拝客が押し合いへし合いする観光スポットもガラガラだと聞いていたので、無人のインスタ用写真を撮りに行ってやれ、という考えも頭をかすめましたが、さすがにそれはやめておきました。東京から観光に来た友人によると、実はこのころは国内の観光客で結構にぎわっていたそうです。
コロちゃん、京都はこのまま収束して行くんじゃないかという幻想まで抱いたくらいです。 その時はほんとうに、みんなの気が緩んでいました。
わたしたちがそんなのんきな時間を過ごしている間にも世界中で、 covid-19 の猛威はとどまるところを知らず、犠牲者の数は増えていきました 。
英国では集団免疫作戦が適切ではなかったことが判明しました。 Whatsappで連絡を取り合っている家族からも悲壮感が漂ってきます。 まず学校が休校になり、そしてロックダウン宣言が出されました。地方の大学で卒論を書く準備をしていた長女も、迎えに行った夫の自家用車で自宅に戻ってきたということでした。
そうこう言ってるうちに 日本でもオリンピック中止の発表があり、これまでの「日本意外とオッケーやん」ムードががらりと変わってしまいました。 ワイドショーでは東京で若者たちが街を平気で歩いていてヒンシュクだ!といった内容の放送がされ、夜の街に出かけないよう、 小池知事が都民に要請します。 京都の集会自粛緩和も撤回です。
未亡人はテレビの中の小池知事に対して「この人、前はもっときれいやったなぁ、好きな人やけど」などとつぶやいています。知事の要請内容は耳に入っていないようです。
そこで、 ちょっと気になることが。
帰りの便大丈夫?
帰りは英国航空(BA)(JALコードシェア)の関空―ヒースロー直行便だったのですが、BAのアプリを見ると、なんと欠航になっているではありませんか。聞いてへんで――!!
続く。
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