ビーガンブッチャーと培養肉

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

またもや前回の投稿から1ヶ月以上経ってしまいました。ご無沙汰しています、IKUKOです。子供たちが学校に戻り、もっと自分の時間ができると思いきや、毎日アリのように動き回っています。基本はスロースターターの怠け者なので、今の望みは・・・午前中ベットからでない日が欲しい!ダラダラしたい・・・です。

1度目のロックダウンに突入して、もう1年経ちますね。ワクチンの接種も加速して進んで、フワリのライターさんたちや(記事1)(記事2)(記事3)、近所の仲の良い友達も、1度目のワクチンを受けた人が増えてきています。そろそろ自分にもお声がかかるかもしれません。

さて、今回はずっと気になっていた、“代替肉”“培養肉”のことを書いていきたいと思います。

(ロックダウンをきっかけに、もっとしっかり食について考えるようになったので、これは良い変化だったと思います。)

・・・ということで、はい、今回の記事は、とても真面目に考えてみました。

参考になれば嬉しいです。

ビーガン

2回目のロックダウンの時、『ロンドン初のビーガン butcher!』と話題になっていました。去年11月1日、ワールドビーガンデーにIslingtonにオープンしたRudy’s、BBCニュースなどで、長い列が出来ているところを動画で見た人がいるかもしれません。

©︎Rudy’s https://rudysvegan.com/

この前の土曜日に、近くに行く機会があって立ち寄ってみました。しかし、まだロックダウンでお休み中・・・ホームページやインスタで見る限りは、いろんな種類のハム、ベーコンのような加工肉っぽいものが並んでいます。オンラインで購入も検討してみましたが、ほとんどSold Outだったので、また再度オープンしたら、是非食レポしたいと思っています。お待ちください。

うちの近所は、ビーガン率がとても多くて、何かパーティーがあっても、カッパ巻きメインのビーガン寿司持参でないと食べれる人がいないのです。(とても財布に優しくてありがたいですが・・・)子供達にもベジタリアン、ビーガンがいるので、誕生日会には、ゲストの子供達の食物アレルギーにプラス、食に対する家庭の方針もインプットしないといけません。

そういえば、自分が物心ついた頃から私が育った家は、月に一回ビーガンデーがありました。精進料理の日。殺生をしないということですよね。 そして、お盆の間は毎日精進料理なんで、早くお盆が終わらないかな〜と思ってたような気がします。

日本人は明治維新まで、ぺスカタリアン(お肉は食べないけど、魚は食べる)だったそうです。うちの義母もずっとこのペスカタリアンを貫いています。理由は幼いころ、近所に屠殺場があって、トラウマになったそうです。

ビーガンといえば、健康志向の人というより・・・動物を殺したくない、そして環境問題に危機感を持ってビーガンになることを選んでいる人が大半ですよねきっと・・・すでに世界の畜産業から排出される温室効果ガスは、車や飛行費など輸送セクターから排出されるものより、多いらしいです。これは子供たちが学校で習ってくるトピックの一つですね。「牛のゲップが・・・」ってずっと息子が喋っていました。

中国やインドの食の近代化も、肉の大量消費に影響していますよね。ブラジルや、コスタリカのアマゾンも、牛がメインの畜産業に開発されて、急激に緑がなくなっているようです・・・

(コロナの前は)子供たちが通う学校から大勢の人が環境問題に訴えるデモに、積極的に参加していました。近所にはビーガンカフェが何軒もあります。もうハックニーでは、積極的にビーガンになる人がどんどん増えています。

代替肉と培養肉

この紹介したRudy’sは代替肉のお店ですが、この代替肉は英語で『Vegan Meat』『Fake meat』。代用肉とも呼ばれるようです。大豆や小麦などの植物性タンパク質を肉状に加工したものですね。パブに行ってもビーガンバーガーがあるとことがほとんどなので、この辺りは想像できる範囲です。

人工肉『Man-made meat』と一括りにすると、代替肉/植物肉ともう一つ・・・

今、話題になっている『Cultured Meat』培養肉です。無知な自分は「3Dプリントで出来たお肉?」というようなイメージでしたが・・・ほとんど知識がなかったので、少し調べてみました。

*“培養肉“ウィキペデアより

動物を屠殺する必要がない、厳密な衛生管理が可能、食用動物を肥育するのと比べて地球環境への負荷が低い、などの利点があり、従来の食肉に替わるものとして期待されている。2019年現在のところ、高価であることが培養肉の課題の1つである。しかし、技術の発展によって、従来の食肉と同等程度までに低価格化することができると予測されている。

この培養肉を作る方法には、現在2つあって、

一つは、バイオリアクターという装置を使い、動物を殺さないで、動物から注射器などで抽出した細胞を、培養液に浸して細胞を増やして作られる人口培養肉。

もう一つはバイオ3Dプリンティングの技術を使って作られるもの。その名の通り、3Dバイオプリンターで、お肉をプリントしちゃうってことです。この技術は、生体組織を作り、移植目的で医療の場で使われるように開発されてきていたようですが、その技術を食卓にも持ち込むようですね。(あ、この3Dプリントの肉は培養肉の一種なので、ビーガン対応にはなってないみたい。)

yahoo newsより

ところで、培養肉の歴史はというと・・・2010年頃から研究が進み、2013年にはすでにオランダで世界初の培養肉バーガーが出来上がり、ロンドンでデモンストレーション・試食会があったそうです。(しかし、ハンバーガー1個は、研究費込みで3500万円!)

そして、月日は流れ・・・

3−4ヶ月前の、2020年の年末には、とうとうシンガポールのレストランで、培養肉を使ったチキンナゲットが、提供され始めたそうですよ。でも値段は1皿23シンガポールドル(約1800円!高いけど、確実にお安くなりつつあります・・・) 

シンガポールは土地が狭く、食料の生産位限界があるので、政府は最新食糧生産技術の導入に前向きだそうです。

このシンガポールに人工培養鶏を提供している会社は、アメリカのEat Justという代替肉を開発している会社。現在は和牛の開発もしている模様です。

日本に関係した話ですが、前にも触れましたが、培養肉のバイオ3Dプリントに成功したイスラエルのアレフ・ファームズは、日本の商社と提供して、培養肉の日本導入を目指しているようです。

©︎アルフファームズ

同じくイスラエルのFuture Meatは、植物肉と培養肉のハイブリットのチキンを作って、コストダウンに成功した模様・・・大豆やえんどう豆、キノコなどで食感や、栄養面を補い、風味、香りなどを培養肉が補う。

培養肉を調べていると、『イスラエル』がキーワードに出てくる理由は、”イスラエルはビーガン率が世界一”だということみたいですね!

世界初の培養肉を使ったイスラエルにあるレストラン 「The Chicken」 メニュー見ると、きちんとCultured Chickenと書いてあります!

培養肉のシステムですが、冷蔵庫ほどの大きさのバイオリアクターという装置で、2週間で鶏100匹に相当降る培養肉を生産できるそうです。2022年に市販化へ・・・

生きた動物から注射器で抽出された少量の細胞を使って作る培養肉。サルモネラ菌などの心配もなく、安全で健康的なんですって!これが、培養肉の別名がクリーンミートと言われる理由?

©︎IntegriCulture  https://integriculture.jp/

2019年夏には、日本のベンチャー企業「インテグリカルチャー株式会社」がフォアグラの培養肉の生産に世界で初めて成功しました。今年には高級レストランへのテスト提供、23年には一般販売を目標としているそうです。

他には、日清食品と東大の培養肉研究があって、培養牛ステーキ肉の食感を、限りなく本物に近づける研究をしているようです。なんと電気刺激で、培養肉に筋トレさせるらしい。日本人の繊細な職人芸?が生きるのでしょうか?!

人工肉、培養肉がメインストリームになる・・・

キーワードが2つ

1)人口増加・食糧難   

2050年に90億人に達する。

世界の胃袋を満たすには2009年より70%多くの食が必要。その相当の部分が肉が占める。

インドと中国の近代化。中国の食の洋風化。牛肉の消費世界第二位。

2050年までに世界の肉の消費量は76%増加する。

世界で使用されている抗生物質のうち、70%は畜産で消費というデータもある。 培養肉では、抗生物質は全く必要なし。広大な家畜用農地も必要がない。

技術開発が進めば、コスト面でも変革が進む。 

動物の命を奪わない肉。

2)環境破壊

牛のゲップ(豚や鳥に比べて6倍の放出量)。牛肉1kgを生産するのに、23.1kgの二酸化炭素(メタンガス)が発生・・・ 地球温暖化まっしぐらですね。 

海面上昇で、住めない地域が増える。 

ガソリン車の販売が近いうちに禁止になるよと言われているうに、動物の肉を動物を殺して販売することも禁止になる?もしくは重税のかかる日が近いうちにやってくるかも。

アメリカの大学の研究では、2040年には35%がCultured Meat (培養肉)の割合にある予測だそうです・・・

時代の変化には、必ず始まりがあります。インターネットが一般化したのは1993年・・・今は生活になくてはならないものになっています。

確実に近い未来には、みんな普通に培養肉を食べてそうですよね〜

・・・そして、10年、20年後くらいには、代替肉と培養肉の両方が並ぶ『地球に優しいブッチャー』が一般化しているかも。

月面や火星でハンバーガー!

話は少しそれますが、フォアグラを培養して成功したインテグリカルチャー株式会社が、最近クラウドファンディングしていたみたいです。

2030年代には月面や火星でハンバーガー!

イーロン・マスクなどが進める火星移住計画でも、この培養肉を初め、他の食品の材料は全て培養されたもので補われることになりそうですね・・・

*“培養肉”ウィキペデアより

2019年3月末には、JAXAが「宇宙食料マーケット」の創出を目指し、「Space Food X」というプログラムを立ち上げた。30以上の企業、大学、研究機関等が参加し、「培養肉」を含む宇宙で食料を地産地消できる技術の開発を行う。これは宇宙移民の実現に向けた動きの一環で、将来的には宇宙ステーション火星に培養肉の研究所または工場を建設する予定。

代替肉や培養肉の会社の株を今すぐ買いましょう。20年30年後、地球を救うだけでなく、家計を救うことになるかもしれません。w

最後に、余談ですが・・・

培養肉、培養魚、培養卵? これらのプロセスを『細胞農業』というらしいですよ。そして、実はこの技術を使えば、どんな細胞でも培養できる!!!

理屈では“人間の脳や肉”も培養できるのです。

人口脳も現在研究が進んでいて、脳の培養の実験もあります・・・豆粒サイズの脳オルガノイドから脳波を検出

フィリップ・ボールの『人工培養された脳は「誰」なのか』という本がありました。

AIと培養肉の組み合わせで、アニメの人造人間?アンドロイド/ バイオロイド?が出来上がる日も、そう遠くはなさそうですよね・・・


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