イギリスで車屋の女房になる…イギリス人はどうやって中古車を買うの？

車屋の女房です。前回までは中古車の買い方について、車屋の女房としての私見を三回に渡ってお伝えしました。

さて今回は…イギリス人はどうやって中古車を買うのか。車屋の女房が見聞きした中からお伝えしようと思います。

私達日本人は、余りある日本車への愛があるが故に「日本車かそうでないか」という括りが自然にできていませんか？信頼すべきTOYOTA、NISSAN、HONDA。Mitsubishi、Mazda,　Suzuki。　誇り高く響きさえします。

イギリス人はどうでしょう？昔からイギリス車の代名詞はロールスロイスとベントレー。Land roverやJaguar、MGなど殆どが身売りやら資本提携してしまい、純血種として未だ残っているのはMoganのような小規模のみ。年間30台程度の生産量では、普段お目にかかるチャンスもそうありません。そんな感じですから、イギリス人は純血種にこだわらず車種を決めて買いに来ます。「Golf何台あるの？」「メルセデスBclass」「CR-V」「SKODA Fabia」「Yarisある？」「Ford Ghia」「Nissan Micra」

Golf crazyさんについてはお伝えしましたが、高齢者のNissan Micra人気も絶大です。どんなに古くてもマイレージさえ100,000マイルに余裕があれば売れてゆきます。80年代に売り出されてから「壊れない」「小さくて乗りやすい」「駐車が楽」「価格が安い」「パーツも安い」という魅力的なセールスポイントがインプットされたまま2019年まで続いているようです。当時は壊れない車など無かったわけですから、日産はMicraによって信頼と評判を築いた事になるわけです。更にはMicra世代の子供達がQashqai世代となってJuke, Leafへと乗り継がれていくんですね。

さて、イギリス人のみなさんが車種にこだわって車選びをして、viewingに来るとします。そこには「メカニック」か「元メカニック」という人がついて来たりします。車に詳しいんだぞ〜というアピールをしながら質問を浴びせてこようとします。

特に「自称元メカニックの父親」なんかが付いてきたりすると、買い手の本人が予想もしていない方向へ進んでいったりします。

以前、若い女の子がそのパターンにハマってしまい、買いたかった車が買えずに泣きながら帰っていったそうです。夫は「可哀想だけど、僕には何もできなかったよ。父親が娘に話をさせないんだから」と言っていました。一生懸命サイトで探して、電話をかけて予約を取って車を見に来たでしょうに…

『だったら新車買ってやれよ…』

他の組み合わせでは、弟にメカニックの兄、若い女の子にメカニックの彼氏、中年の女性に友人のメカニック等がポピュラーな組み合わせです。大体が悲惨な結果に終わります。買いたくて来てるのに、知ったかぶりをして買う価値がないような方向へ持っていってしまうんですね。メインの買い手さんの絶望した表情が目に浮かびます。

もちろん本物のメカニックさんも買いに来ます。夫は車の状態によって、トレーダー（同業者）もしくはメカニック向け、一般人向け、オークション送りにしているので、最初の連絡時に必要事項は全部伝えてしまいます。

メカニックさんたちは、車を見て試乗した後すんなり買っていきます。夫の説明が終わっているせいもありますが、この一言「直しながら乗るからいいよ〜」これが、本物のメカニックですよ。

自称メカニックのみなさん、自称する前によく考えてからモノを言ってくださいな。

それから結構居るのが「How much is your last price?」最初の電話でこれを聞いてくる人達です。これを普通のディーラーにやると、電話を切られるか「車を見にも来てないのに」とキレられるか呆れられるかなんですが、夫の場合「プラス£500かな」とか値上げしちゃうんですね。そうすると相手はびっくりして困惑します。それに重ねて「もう一回聞いたらもう£500値上げする」とか言うんですよ。大した度胸だなと思いますが、それ位相手の見極めが出来ている…と解釈していいのか、ただフザケているだけなのか…

イギリス人相手には、ちょっとジョークを入れていかないとやってられないという事かもしれません。

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